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PAHで使用できる
医療費助成制度

PAHは、厚生労働省により「指定難病」「小児慢性特定疾病」に指定されており、症状の程度によってはPAHの治療にかかる医療費の自己負担部分について、助成を受けることができます。

指定難病とは

難病法において、難病は「発病の機構が明らかでなく、治療方法が確立していない、希少な疾病であって、長期の療養を必要とする疾病」と定義されています。そして、難病のうち、患者数などの要件を満たす疾病は指定難病として、医療費助成の対象となっています。

公費医療・難病医療ガイド 2019年度版(令和元年版)、社会保険研究所、2019、p.42より作成

小児慢性特定疾病とは

18歳未満の児童を対象とし、下記の条件を満たすものが小児慢性特定疾病と定められています。

※18歳到達時点で対象になっており、かつ、18歳到達後も引き続き治療が必要と認められる20歳未満も含みます。

小児慢性特定疾病情報センター
医療費助成の概要 - 小児慢性特定疾病情報センター (shouman.jp)
(2021年10月閲覧)

PAHは指定難病の対象です

PAHの原因はいくつかありますが、原因がいずれであってもPAHは指定難病となります。

※ただし、先天性シャント性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症の場合は、手術不能症例及びび手術施行後も肺動脈性肺高血圧症が残存する場合を対象とする。その際は、心臓カテーテル検査所見、心エコー検査所見、胸部X線・胸部CTなどの画像所見、などの検査所見を添付すること。

※HIV:Human Immunodeficiency Virus

厚生労働省. 平成27年1月1日施行の指定難病
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000157754.docx
(2021年11月閲覧)より作成

PAHで受けられる医療費助成

成人のPAH患者さんは、難病法で定められている医療費助成(特定医療費の給付)の対象となります。具体的には、疾患ごとに定められている「重症度分類」で、Stage3以上が対象です注)
18歳未満の患者さんは、小児慢性特定疾病の医療費助成の対象となります。

医療費助成の対象になると、医療受給者証を交付されます。支給認定で指定された医療機関を受診する際に、窓口で医療受給者証を提出すると、PAHとそれに付随する病気に対する医療費の患者負担割合は2割となります。さらに、1ヵ月の医療費の合計が、世帯の所得によって決まる負担上限月額を超えた場合には、超えた分が助成されます。

注)詳細は下記サイトをご参照ください。
厚生労働省. 平成27年1月1日施行の指定難病
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000157754.docx

成人:指定難病の医療費助成

※「高額かつ長期」とは、月ごとの医療費総額が5万円を超える月が年間6回以上ある者(例えば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円を超える月が年間6回以上)。

難病情報センター
https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460
(2024年6月閲覧)より作成

18歳未満:小児慢性特定疾病の医療費助成

※「重症」:①高額な医療費が長期的に継続する者(医療費総額が5万円/月(例えば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円/月)を超える月が年間6回以上ある場合)、②現行の重症患者基準に適合するもの、のいずれかに該当。

小児慢性特定疾病情報センター
医療費助成に係る自己負担上限額 - 小児慢性特定疾病情報センター (shouman.jp)
(2021年10月閲覧)

申請の手順と必要な書類

医療費助成を受けるためには、都道府県または指定都市への申請が必要です。必要な書類をそろえて、都道府県・指定都市の窓口となる保健所などに提出し、申請を行います。必要な書類には、都道府県・指定都市が定める「難病指定医」が記載する臨床調査個人票(診断書)、住民票、世帯の所得を確認できる書類(市町村民税(非)課税証明書等)、保険証などがあります。

都道府県や指定都市によっては、医療費助成に関するパンフレットや申請の手引きを用意している場合があります。

申請から医療費受給者証交付の流れ

難病情報センター
https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460
(2024年6月閲覧)より作成

申請に必要な書類

公費医療・難病医療ガイド 2019年度版(令和元年版)、社会保険研究所、2019、p.52

参考情報

指定難病や小児慢性特定疾病の医療費助成、各種福祉サービスなどについてくわしく知りたい場合は、まずはお住まいの都道府県・指定都市の窓口にお問い合わせするか、HPをご確認ください。

リンク集

医療費助成制度の概要や申請から
医療受給者証交付までの流れが知りたいとき

政府広報オンライン

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201412/3.html (2024年5月閲覧)
医療費助成の担当窓口を知りたいとき

難病情報センター

https://www.nanbyou.or.jp/ (2024年5月閲覧)

上記リンクから「都道府県・指定都市関係機関」⇒「都道府県・指定都市担当窓口」

小児慢性特定疾病情報センター

https://www.shouman.jp/support/prefecture/ (2024年5月閲覧)
療養上、生活上の問題、各種公的手続きなどについて
相談したいとき

全国に「難病相談支援センター」が設置されています。

難病情報センター

https://www.nanbyou.or.jp/ (2024年5月閲覧)

上記リンクから「難病相談支援センター」⇒「都道府県・指定都市難病相談支援センター一覧」

就労についてのサポートが欲しいとき

難病患者さんの就労に関してさまざまなサポートが行われています。

難病情報センター

https://www.nanbyou.or.jp/ (2024年5月閲覧)

上記リンクから「就労支援関連情報」

災害時のサポートについて知りたいとき

災害時の国・自治体のサポートについて紹介されています。

難病情報センター

https://www.nanbyou.or.jp/ (2024年5月閲覧)

上記リンクから「各種制度・支援情報・災害」⇒「災害時難病患者支援ホームページリンク集」

治験について知りたいとき

治験情報に関するリンク先がまとめられています。

難病情報センター

https://www.nanbyou.or.jp/ (2024年5月閲覧)

上記リンクから「各種制度・支援情報・災害」⇒「治験情報の検索」

その他の福祉制度

身体障害者手帳

身体障害者福祉法に定める身体上の障害がある方に交付される手帳で、取得することで障害福祉サービスや、税の減免、交通に関する助成など、さまざまなサポートやサービスを利用することができます。くわしくは市町村の障害担当窓口にお問い合わせください。

自立支援医療(更生医療/育成医療)

自立支援医療制度は、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。更生医療の対象となるのは、身体障害者手帳をお持ちの18歳以上の方で、育成医療の対象となるのは、身体に障害のある18歳未満の方です。
市町村などに申請し、支給認定を受ければ、その医療に関して自己負担割合は1割となり、低所得者などは所得区分に応じた負担上限月額が設定されています。支給認定によって交付される医療受給者証の有効期間は原則1年となっています。

訪問看護

医師の指示に基づいて、看護師が自宅を訪問し、健康状態の観察や医療ケア、療養相談などを行うものです。PAHの治療に関し、指定医療機関に指定された訪問看護ステーションから受けた訪問看護は、指定難病の医療費助成の対象となります。くわしくはかかりつけ医やお近くの訪問看護ステーションにお問い合わせください。

高額療養費制度

1ヵ月(月の1日から末日まで)にかかった医療費が高額になったときに、加入している公的医療保険から医療費が払い戻される仕組みです。健康保険組合、市町村の国民健康保険など、どの公的医療保険でも同じ仕組みがあり、年齢や所得によって1ヵ月の上限額が決まり、上限額を超えた金額が高額療養費として支給されます。指定難病の医療費制度とは異なり、PAH以外にかかった医療費が支給の対象となりますが、入院時の食事代や差額ベッド代など保険適用とならない費用は対象になりません。加入している公的医療保険に対して申請を行うことで、支給が受けられます。

本サイトはヤンセンファーマ株式会社が運営する、肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者さん向けのサイトです。PAHは、厚生労働省により難病や小児慢性特定疾病に指定されており、さまざまな医療費助成制度が適用されます。このページではPAHで使用できる助成制度について紹介しています。

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