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職場のサポート事例
A社(大手エネルギー関連企業)
Nさん(総務・財務業務)の場合

PAH患者さんが働きやすい、職場作りの取り組みを紹介します。

Nさん(30代女性)
罹患歴10年

20歳でPAHを発症。症状は安定しており、通院は月1回程度。
障害者雇用枠の嘱託社員として勤務。

企業情報

東証一部上場、大手エネルギー関連企業。従業員数約700名、東京に本社を置き、全国に10以上の支社を展開。

患者さんの課題

大学を卒業して2年
社会人経験ゼロからの就業

病状の悪化を恐れて大学在学中の就職活動を断念。
卒業後、障害者専門の人材紹介サービスを利用し、
障害者雇用枠での就職活動を開始。

企業のサポート

業務量を調整しやすい
総務部に配属

まずは業務量を調整しやすい総務部に配属。
残業もなく、他部署との接点が多い部署のため、
スムーズな社内関係構築につながった。

結果

社会人経験が積めて
新しい部署へ異動

総務部の仕事を勤め上げたことが自信になり、
キャリアアップを目指して異動を希望。
現在は財務部に配属。

患者さんの課題

病状が悪化した場合に
誰に相談すればいいか

病状は安定していたとはいえ、
緊急時の対応についての相談先がわからず
不安だった。

企業のサポート

常駐する産業医など
複数の相談先を用意

社内医務室があり、産業医が常駐していることを人事部から伝達。
他にも上司から定期的な面談をセッティングした。
 

結果

内容に応じて相談先を選択でき
長期就業を実現

体調については上司に、
職場では話しづらいプライベートなことは産業医に相談するなど、
内容に応じて相談先を選べ、お互いの安心につながった。

患者さんの課題

一般社員と同様に
キャリアアップしたい

「PAHでも頑張る姿を見せたい」とモチベーションも高く、
幅広い業務を担当したかったが、
その思いに応えてもらえるかわからなかった。

企業のサポート

体調を確認しながら
出張のチャンスを与えた

入社後数年で、プロジェクトリーダーとして指名。
業務上、支社への出張が不可欠だったが、健康状態を
本人と相談しながら出張を許可した。

結果

業務領域が拡大し、
モチベーションの向上に

出張に行けたことが自信につながった。
幅広い業務に携われたことで、以前よりも仕事に対する充実感を
感じられるようになった。

〈 Nさんの声 〉
病気だけでなく
キャリアアップまで
配慮して
もらえたことが嬉しい

入社後も積極的に上司とコミュニケーションを取り、病気のことや必要な配慮については常にオープンにしています。「走ると動悸、息切れがする」「設営で重い荷物を持てない」などと具体的に伝えていたため、上司も私の出張や異動について、不安だったと思います。それでも、「この仕事できそう?」と私の意欲や熱意を買ってくれて嬉しかったです。新しい部署に異動し、またゼロからのスタートですが、自信をもって頑張っていきたいです。

Column
障害者が活躍できる場をつくることで
企業の発展につながる場合も

障害者雇用について「健常者と同じように働けるのか」と気がかりに思う企業もあるでしょう。しかし、障害を抱える方の中にも、業務内容によっては健常者と同等のパフォーマンスを発揮できるケースもあるようです。大切なことは障害者の「できないこと」ばかりに目を向けるよりも「できること」に目を向けること。その能力を活かせる活躍の場をつくり出したり、一緒に働く社員も含めた労働環境や業務を見直したりすることで、企業の発展につながる可能性もあるのではないでしょうか。

※掲載しているコメントは個人の意見であり、
すべての方に当てはまるわけではありません。

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